カテゴリーをミステリーとしましたが、付け加えるとしたら官能です。
僕はオープンなエロではないので、官能小説を◯冊持っているなんて書けません。
草凪優さんや沢里裕二さんが好きなんてバレたくありません。
はっ!ごほっごほっ、一段落目はなかったことにしてください。
本書は援交探偵上木らいちシリーズの第3弾です。
第1弾と第2弾はエロくて最高でした。じゃなくてとても書けない内容でした。
本書も官能は強めですが、とても書きたい気持ちにさせた社会派ミステリーとしての側面がありました。
主人公の上木らいちは女子高生です。
一度彼女と会えば誰もが好きになってしまうくらいの美少女として描かれています。
そんな彼女とはお金を払えば関係を持てます。お金持ちの男性は一瞬で虜にされますね。
僕はお金が無いことが抑止力になりそうでよかったです(泣)
このシリーズの面白いところは官能パートだけでなく、謎がしっかりしているところです。
そして筆者からの挑戦状を付けるなど、とても楽しんで書かれていることが伝わってきます。
これらは本書でもそうでした。
物語は二本の大きな軸があります。
一つは淫行条例違反で捕まった男の話です。
愛があっても18才未満の子と関係を持ってはならないという条例はとても冷たいようにも映りますが、全員に平等な法です。
ただし、〇〇〇〇〇〇〇〇で裁かれますが。〇〇には本書の鍵となる部分なので伏せました。
男は無実を主張しますが、果たして無罪を勝ち取ることができるのか?
もう一つの軸は〇る館での殺人事件です。
〇る館という表現は本書でよく出てきます。新本格では館が必要だとも書いています。とても遊び心がありますね。
らいちはこの館の住人にメイドとして雇われます。
しかし、館で殺人事件が起きて、らいちは顧客満足のためか捜査に乗り出します。情報収集のために体を売るのは彼女がプロだからなのでしょう。
淫行条例違反の彼とも話が繋がり物語は深みとエロさが増します。
ただ、エロに気を取られていると真相を見落とします。本書はとてもロジックがしっかりした本格ミステリなのですから。
最後に本書でとても重要な鍵を解くためのヒントです。本書にも出てくる話です。
それは「飛行機内で痴漢をしても裁かれない」というものでした。これは実話のように書かれていますが、実際はどうなのでしょうか。
やってはいけないことは間違いないですし、多分捕まります。ここで書いたのはヒントなので、「飛行機内で痴漢をしても捕まらない」理由は本書にちゃんと書かれています。
それもとても興味深いものでした。