日々の読書のおともにどうぞ

僕がおすすめする小説やエッセイなどを思うがままに紹介していきます。
書籍が映像化した時のドラマや映画などの脱線話も多いです。

SF

「月の扉」 石持浅海

本書は僕が尊敬する作家である石持浅海先生の出世作です。
石持浅海先生とは違う作品で出会ったのですが、まさかファンタジー系も書けるとは思ってもみませんでした。続きを読む

山田悠介さんについて

「神様のコドモ」 山田悠介

※今回はたくさんの山田悠介さんに対する悪口みたいなものが出てきますが、僕は山田悠介さんを尊敬しています。それが伝わればなによりです。

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「私の存在が空気」中田永一

特殊能力っていいですよね。

そんなことを常日頃、時には数時間考えてしまう僕ですが、本書でついに欲しい能力を見つけました!

 

本書は6編からなる短編集ですが、どの話にも不思議な能力や不思議なアイテムがでてきます。

それらは特に詳しい説明がなされていません。

何もないところに熱を起こす能力、存在感を完全に消して周りの人に認識されない能力、量子トンネルを起こしてしまう能力と様々ありましたが、能力者たちはきっとこういうでしょう。

「そういう体質なの」って。能力のそういう扱い方は僕は大好きです。とても論理的だなぁとも思います。

 

さてそんな本書からは3つの話について書いてみようと思います。

「ジャンパー」

主人公はとても醜い顔を持っていて、学校ではいじめられ、妹からはいつもキモいと言われてしまう、引きこもりの男の子です。

ある日、顔を見せろとからかう親戚たちから逃れるため家の2階から飛び降りることで自分の能力に気づきます。

能力は本文から紹介すると、ドラクエのルーラです。他の言葉だと孫悟空の瞬間移動でしょうか。

具体的には両足が地面から離れているときに行ったことのあるところにいける、です。

そんな彼はある日、趣味である美少女が誘惑してくる系のラノベを買おうと街に出ます。彼は3次元の女には相手にされないので、2次元の女を愛します。

(なんだか僕に似ていますね^_^)

本を買い、帰ろうとすると踏み切りで転んだ少女います。少女に迫りくる電車から能力を使い助けることができましたが、彼が持つ能力はバレます。

その後、少女は彼の先輩だったこともあり、彼はアッシー君になります(彼女を背負い、学校まで飛んだり、東京観光や彼氏の所まで飛んだりします)。

もうお分かりでしょうが、彼は人使いの荒い先輩に恋をします。

それはとても痛みのある恋でした。でも、彼を成長させる恋でした。

 

とても共感できる一文は、

《パソコンで美少女ゲームをプレイして、プログラム上の女の子と交際した。だれがどう見てもこれは立派な遠距離恋愛だった。》です。

僕も乃木坂46にどハマりして、深川麻衣さんと橋本奈々未さんに恋をしていました。

どちらかを選ぶことはできず、大変な日々でした。

彼女たちはビームを放つことができるメンバーです。僕はビームに弱いのです。

今の乃木坂はというと………、この辺にしておきましょう。

今回のテーマが乃木トークだったらあと2000字は書けるところでした。

まぁ、彼とはそんな共通点もあり、最後まで応援できました。

前を向いた彼ならば、また先輩のように心の眼で彼のことを見てくれる人に出会えることでしょう。

それにしても中田永一さんはいわゆる陰キャラを描くのが上手すぎますね。どの話も激しく感情を揺さぶられます。

 

「スモールライト・アドベンチャー」

突然家にスモールライトが届き、少年はそれを自分と母親に使ってしまいます。

少年はせっかく小さくなったのだから気になるあの子のスカートの中を覗きに行こうと旅に出ます。

(その気持ち、分かるぞ少年👍)

少年は気になるあの子の誘拐現場に立ち会ってしまい、事件に巻き込まれますが、母親は小さくなっても夕飯づくりをやめないのが面白いです。

 

「サイキック人生」

これぞ僕の求めていた能力でした。

主人公である、女子高生の一家はみな透明な腕を持ちます。

それは数メートル伸び、他人に触れることはできるし(触れたときの感触は本体にも伝わる)、他人からは触れることができないというものです。

もし僕が透明な腕を使えるならウフフなことやぐふふなことに使うでしょう。

しかし、彼女は透明な腕を使い心霊現象を起こしクラスメートをびびらせます。

(なんて邪道な使い方なんだ😠)

不良との戦いや娘さんを失った彼の母を励ますなどありましたが、彼女は能力とそれを使って得たものに感謝できたようです。

こちらは透明な腕を持つ同士の親娘ゲンカが面白かったです。

 

最後に、誤解させてしまっては申し訳ないので一応書いておきます。

僕が透明な腕を持つとして、ウフフなこととは本を読みながらズレたメガネを直すことで、ぐふふなこととは冷蔵庫まで行かずともコーラを飲めるということです(^^)





表紙もいいですね。

作画は浅野いにおさんです。

浅野いにおさんの代表作「ソラニン」はとても感動的でした。

超能力バトル

「愚者のスプーンは曲がる」桐山徹也

 

本書は「スマホを落としただけなのに」と同じ日に発売されました。

もし、発売日が少しでもズレていたのならば、もっと有名になっていただろうなと思う一冊です。
本書はずーっと嘘の物語です。もしくはすべてが本当なんだけど本当かどうかわからない話です。
どう読んでも面白いのが特徴なのです。

 

物語は冒頭から穏やかではない。
主人公の町田瞬の前には銃を所持した超能力者(らしい) の2人組。

瞬は拉致され、命の危機にある。

しかし、男の方は「気分がいい」と言い、女の方は熱いコーヒーを飲んだりラーメンをすすったりしている。

命のやりとりが多くある本書だが、常に不思議とおかしみがある。

彼らは組織の命令で、危険な能力を持つ(らしい)瞬を殺しに来たのだと言う。

瞬の持つ能力とは、超能力の「無効化」。
つまり瞬の前では超能力者による超常現象は発生しない(らしい)ーー。
何とか命拾いした瞬は、代わりに超能力者による組織 《超現象調査機構》で働くことになり、やがて奇怪な事件に巻き込まれていく……。

 

僕は本書の設定を理解するのに時間がかかりました。

なので、少しずつまとめていきます。

本書に出てくる登場人物はほぼ、何かしらの特殊能力を持っています。

ただ、能力には制限や代償があります。

瞬を拉致した男は熱を自在に操りますが、常に頭痛があります。

女の方は熱いものが食べられないという代償があります。

他にもサイコメトリーを使う者や透視能力を持つ者もいます。

強力な能力であるほど、代償が重いらしいです。人の憎しみや怒りを向けられるという代償がありましたが、それはなんかはかわいそうです。

さて、瞬の能力は「無効化」です。彼の前ではどんな能力も使えません。ある程度の有効範囲があるみたいです。

瞬の能力の代償は運の悪さでしょうかね。これは明らかにはされていません。

そして本書の面白いところは全編に渡り瞬が語り手ということです。

瞬の周りで起こる出来事や瞬が考えたことしか出ないので、本書では能力を使うシーンは一切出てきません。

ここで、ずっと嘘の物語と言ったのがわかってもらえると思います。全員が瞬を騙している可能性があるのです。

瞬の所属した超現象調査機構は裏警察みたいなものです。悪の組織と戦うという設定はとてもハードボイルドです。

 

ユーモアにも富んでいる作品です。1番のお気に入りは現実にいる超能力者のユリゲラーさんを意識してのセリフです。

《「いいか、恋ってのはマラソンみたいなものだ。上り坂もあれば給水所もある。いろんなドラマをの先に、ゴールはあるんだ」村井さんは僕の肩を叩き、「ユリげろよ、瞬」と言い、軽く手を上げて去って行った。》

このユリげろは笑うしかなかったです。

瞬の《「ユリげる」って何だ。》というツッコミも笑えました。





本書は僕の中で続編が待ち遠しいランキングの第一位です。

いつかこのランキングに権威がつくように頑張ります!

「午後の恐竜」星新一

僕の価値観を支えてくれた作品は数多くありますが、パッと思い付くのは「地獄先生 ぬーべー」、「アウターゾーン」、そして星新一さんのショートショートの小説です。

うち2つはマンガですね。最近の悩みはマンガを読むタイミングがわからないことですが、昔は好きだったのです。

「ぬーべー」からは心霊観と守る力の大切さを学び、「アウターゾーン」からは不幸にしようとする何者かとの戦い方を学びました。

実は最近気付いたのですが、僕の書く文は「アウターゾーン」の著者の光原伸さんの書き方に似ているかもしれません。

「〜のだ。」とか解説から一気に自分が話したいことに飛ばすとかですね。これはコミックスを持ってない人にはわからないでしょうし、今回は全く関係無い話でした。

星新一さんからはありすぎて書ききれませんが、1文字1文字を大切に間違いがないように書くことを教わりました。

文を書くとき、間違いがないことがとにかく大事らしいです。短いページ数で評価される世界で未来永劫語り継がれる作家ですので、そのお言葉はとても重いです。

星新一さんのおかげで毎日、誤字脱字だけはやめようと気を抜かずに書き続けることができています。

 

さて本書はショートショートの話です。全11編とちょっと少なめですが(他に40編くらい収録されているのもあるのです)、その分内容が濃く楽しめました。

表題作の「午後の恐竜」では上にあげた3作のいいところが組み合わさっているようで、特に楽しめました。

 

「午後の恐竜」は突如恐竜の映像が現れた地球が舞台です。

恐竜(🦖🦕ギャオー)は触れることはできず、実体を持たないので、まるで立体テレビのようです。

ひとつの家族が恐竜について、この現象について話し合っています。

ニュースではこれは全世界で起きている現象で、しかも猛烈なスピードでその映像の中の時間が経過していることを語っています。

ニュースの言葉どおり、やがて恐竜の時代は終わり、哺乳類が現れ、人類が誕生します。

この映像は何を表しているのか、家族は考えてしまうのでした。

 

ここでぬーべーの話に戻ります。

今手元にぬーべーがないので、記憶だけの自分の解釈たっぷりな話になりますが、「石の記憶」の話がとても面白かったです。

ぬーべーいわく、石や岩は力を持ちやすく、ときに心霊現象を起こすらしいです。

そういえば宝石やお墓や地蔵などの怪談は多いなとも思うし、スピリチュアルな方が持つ水晶玉はなんだか力がありそうです。

ぬーべーも常に水晶玉を持ち歩きますが、ときに水晶玉が経験した妖怪の映像を立体化して暴漢を退治したり、水晶玉で強盗犯を殴ったりします^_^

 

「午後の恐竜」の中で突如現れた謎の立体映像は地球が経験してきた記憶です。(拡大解釈が過ぎるかな?)

なぜ、そんな映像が見れるのかは人間がいつか経験しうる(かもしれない)あの現象です。それはとてもリアリティを感じるものでした。

この物語は地球の行く末を案じてのものなのだと思います。星新一さんは創作は幾度も現実のものとなっているので、この本も無視できないです。





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