これぞ小説がヒットする黄金パターン!と煽り文から始めましたが、黄金パターンとは思ってもらえないとしても僕が大好きなパターンの一つです。
それはかわいくて天真爛漫、もしくは聡明な女性とその子に振り回される男の組み合わせです。この組み合わせがあると大体面白いです。
このパターンは「ビブリア古書堂」の大ヒットから多くの作家さんが取り入れた気がしますがどうか。研究してる方がいたら教えてください。
天久鷹央はあめくたかおと読みます。
表紙の子はとてもかわいらしいですが、男の子にも見えます。しかも、たかおは男みたいな名前です。
この子が男か女か、僕はギャンブルの状態で読みました。
背表紙を読まないからこそできる遊びです。
読み始めて鷹央が女性であることがわかり、とてもホッとしました(^^)
かわいい子がいた方が小説は楽しいです(^_-)-☆
「帰る前にうちに顔出せ」と乱暴に呼ぶ鷹央、それに振り回されるのは小鳥遊(たかなし)という大男。
小鳥遊は鷹央から小鳥と呼ばれている。鷹は小鳥を食べる。2人の関係もそんな感じだ。
ちなみに鷹央は統括診断部の医師でこの部署には各科で診断不可とされた患者が集まる。
小鳥遊は統括診断部の見習い医師であり、鷹央の下僕扱いだ。
しかしたまに何気ない発言が謎を解くヒントを与える、ワトソン的な働きもできる。
語り手もつとめているから仕事量はとても多い。
さて第1巻で扱う謎はバリエーション豊富だ。
1話では河童に会ったという少年の話、2話は人魂を見たと怯える看護師の話、ここまではあまり医者らしくない話が続く。
3話の「不可視の胎児」は普通に考えれば想像妊娠だ。これを解く鷹央は口は悪いが名医なのかもしれない。
4話で鷹央は訴えられる。
「鷹央の誤診により、息子は苦しみ母親が病気の原因を作るかのように言われ、精神的な苦痛を被った」と訴状にはある。
この病状を僕は当てることができた。予想しようとすればヒントは随所にあるし、これまでのながれもある。
真相が先に分かってもなお、面白い本書は紛れもなく名著だ。
鷹央と小鳥遊の掛け合いが魅力的な小説ですが、ナースの鴻ノ池や姉の天久真鶴、叔父の天久大鷲もとてもいいキャラをしています。
この家族と仲良くなれたら鳥に強くなりそうだなって思います🦅
全く関係ないのですが、鳥=恐竜らしいですよ。
ケンタッキーでは恐竜を販売していますと訳の分からないことを書いて今日は終わりにします。
お医者さんが出てくる本では二宮敦人さんの「最後の医者は桜を見上げて君を想う」も名著でした。
こちらは死なせない医者対死なせる医者が描かれています。
頭の中で連続ドラマができるくらいに鮮明に映像化できたこと、ラストには泣けたことが印象に残っています。